2012年5月16日水曜日

成果主義導入の問題点は「ビジョンやリーダーシップ」にある

成果主義導入の問題点として、1.総額人件費を抑えるために利用する目的のはき違え、2.目標管理制度により、安全志向、短頭志向に陥り、仕事の質やビジョンといった抽象的な領域の軽視、が生じている。しかし、そもそも成果主義を論じるならば、制度的な弊害以前に経営者の資質が聞かれなければならない。

「ビジョンのない経営者が多すぎます。このビジネスをどうしたいかと尋ねても、”儲かるようにしたい”なんて答えしか返せない。そんなのはビジョンじやありません。いったいどんな顧客に対してどんな価値を提供したいのか、どんな人が必要で、どう働いてもらいたいのか」と、高橋教授は経営者を厳しく叱責しています。

成果主義を導入するならば、まず経営者がしっかりとしたビジョンやリーダーシップを持たなければなりません。さらに、経営者としての評価を自ら厳しくしていかないと、うまく機能するはずがないのです。成果主義に従業員のモチベーションを高める効果がまったく無いとはいいませんが、さまざまなリスクとも背中合わせです。富士通の秋草発言は、それを示しています。